ステディにじゃんけんで勝てない理由

我々――ステディとわたしの間には『領収書じゃんけん』という伝統的な競技があります。

領収書を奪い合い、じゃんけんすること――それが領収書じゃんけん。

我々は日々、じゃんけんをしあっているのです。

しかし、最近、ステディが妙なことを言い始めました。

じゃんけんをして、私が負けると、「今のは勝てる試合だとわかっていた」と言うのです。

WHY？？なんで？？？じゃんけんなのに？？

すると、ステディは言いました。

ステディ「キミは無意識化だとパーを出す率が高い。そこで、パーを出させたいときには、振り向きざまにじゃんけんさせて、無意識を引き出しているのだよ」

は、はあ……なるほど……！！！

そして、次の店に行ったとき、「じゃんけんだ！」と言われ、私はチョキを出して負けました。

ステディ「さっき、キミに『パーを出すと負ける』と刷り込んだからね。だから、僕はあえて今回は『じゃんけんだ！』とわざと言ったのだよ」

ぐ、ぐぬぬぬぬ……！！！！

く、悔しい……！！どこまでもステディにコントロールされている……！！

あたしゃ、お釈迦様と戦う孫悟空かよ！！！

で、もう絶対、パーやチョキは裏手で行こうと思っていた矢先のこと……。

ステディ「最初はグー！じゃんけん、チョキ！！」

わたし「チョキ！！」

ステディ「あいこで、パー！！」

わたし「パー！！」

ステディ「あいこで、パー！！」

わたし「グー！！」

ということがありました。

これにも、ステディは考察があったらしく。

ステディ「キミ、続けて同じ手出さないよね、そうすると、出すものがおのずとしぼられてくるのじゃよ」

というではありませんか……！！！

ムキ～～～～～～～～！！！！

ど、どこまでも転がされとる～～～～～～～～～！！！

釈迦に勝てる日はくるのだろうか……うーん。

千葉N子

サイゾーウーマンで沼コラムを連載中のアラフォーウーマン。今日も頭痛と闘いながら散財する日々