ネイルに目覚めた中年②

【前回までのあらすじ】

ネイルに目覚めた中年・千葉N子。ネイルオフ券（ネイルのオフが1年無料になる券）と会員券（1年間20％オフになる券）を買い、一週間前予約でさらに５％オフになるので、実質25％オフ！！！これで好きなネイルし放題だわ～～と浮かれて、４回目のネイルに挑んだんだけど……？

 

みんな、けっこう時間空いたけど、覚えてくれていたかしら？

わたしが気に入ったのは、7500円のこのデザインだったのよ。

この深いブルーグリーンのお色が素敵でしょう？

で、「これでお願いします！！」と言って、いざ施術……！！！

わたしはワクワクしながら、指を差し出したんだけど……。

店員さん「このカラー、うちにはないんですよ」

と言われたの。

ほげええええええ～～～～～！！！？？

しかし、店員さんはこともなげに

店員さん「別のカラー使ってやりましょうか！ブルーとグリーンどちらがお好きですか？」

って言うじゃない？

え、へ、え……？

困惑する私。

別のカラーでもいいもんなのか……？？

見た目ちがくならないの……？

店員さん「多少変わりますけど、ベースカラーとかは一緒ですし、そこまでかわらないかと」

ほお～～～～～……。

というわけでやってもらうことに。

ぼーっとしていると、店員さんがネイルボトルをいろんなところから持ってきて、ベースの色を塗り始めました。

そんときね、あたしゃ、顔に出さなかったけど

「ほへえ！！！？？」

と思ったよ。

だって、真っ黒だったのよ。色が。

え、これ真っ黒？？？深い色だとは思ったけど、緑と青の濃い色かと思ってたよ！！？？

黒、真っ黒なんだが！！？？

わたしは急に不安になってきて、そわそわしながら店員さんと指先を交互に見つめました。

そんなわたしの焦燥など知らない店員さんは、「黒のワンカラーもかっこよくて素敵ですよねー！」となごやかに言いながら、どんどんわたしの指先を真っ黒くぬっていきます。

黒のワンカラー……たしかにきれいだけど……きれいだけど……わたしのお願いしたのはブルーグリーンなの……。

わたしはついに口を開きました。

わたし「黒……なんですかね？このネイルデザインの色」

店員さん「下のほうに使ってるネイルの品番書いてあるんですよ！」

衝撃の事実発覚。

そ、そうだったのか……。

わたし、目が悪いのか……？

モグラみたいな視力なのか……？

そして、作業すること３時間……。

できたのがこちら！

んにゃ～～～～～～～～～～～～～～！！！？？？

あの美しく発色するブルーグリーンはあ～～～！！？？

って、代替品になったから、こんな控えめな色になっちゃったの～～～？？？

うーん、きれいはきれいなんだけどさ。

店員さんもそれはそれは丁寧に仕事してくれて、お花とかもきれいに書いてくれたんだけどさ。

色が……色が違うと思ったのよ……。

でも、モデルの写真も黒ベースだったらしいし、すべてはわたしの視力のせいなのか……。

そしてよぼよぼと椅子を降り、会計へ。

7500円だったけど、25パーオフするから、5600円くらい……だよね。

と思って、カードを用意していると、店員さんがレジを叩いてこう言いました。

店員さん「7800円です」

ほげえ～～～～～～～～～！！！？？？

いや、なにかの間違いなんじゃないかと思って聞いたよ、聞いたとも。

そしたら、『ネイルデザインカタログ』はすでに会員割引した価格なんだって……。

５％オフにはなるけど、消費税は追加されるので……って……。

んぎゃ～～～～～～～～～～～！！！

ネイルに7800円もかけてしまった～～～～～～～～～～～～～～！！！！

はあはあ……。

３週間しか持たないものに7800円もかけてしまった……。

ドモホルンリンクルの定期購入だけで36000円くらいぶっとぶのに、まつげパーマにネイルに美容室にって……、デブのおばさんがおしゃれしたって、誰も見てないのに……。

笑顔でリボ専用カードを差し出し「１回で」と言って帰って来たけど、心の中は荒れ模様だったわ。

BGMは『津軽海峡・冬景色』……。

とほほ……。

追伸

その後、家に帰りステディに爪を見せて、「全然ちがくない？」と言うと、「そう？このとおりじゃない？」と言われました。

わたしの見えてる世界と、みんなが見てる世界は違うのではないか、という哲学的な自問自答をしたのだった……

千葉N子

サイゾーウーマンで沼コラムを連載中のアラフォーウーマン。今日も頭痛と闘いながら散財する日々