ステディにご恩を返すとき・・・・・・?

ある日、天使がささやいた

2023.03.29 / 千葉N子

ある日、ステディがセカンドストリートに行きたいと申し出ました。

セカンドストリートを知らない方のために一応補足しておくと、中古の商品を売っているお店です。

中古といっても、店内は小ぎれいな感じで、売っているものもオシャレな若者向け、という感じ。

「なにかいいブーツがあったら、見たいなあ」と言うので、じゃあ、行こうということになったんですよ。

 

 

店内に入ると、まず私はカーキのサロペットを手に取りました。

特筆すべきはそのお値段!このカーキのサロペット、なんと1万の値をつけられていたんざます!!!

 

 

高いものを見ると無条件で買いたくなる病に冒されている私は、つい手に取ってしまったというワケ。

 

 

ウーン、可愛いの・・・・・・か?可愛いよなあ、可愛いと思う。

 

 

それはなんの変哲もないサロペットでしたが『値段が高い』という一部分ですっかり評価が甘くなっている私は、「これはありだな」と判断しました。

そして、颯爽と試着室へ!!

 

 

サロペットくらいなら入るだろ~~~と思い、足を入れた瞬間、いや~~~な気持ちになりました。そのサロペットのタグに『S』という文字がついていたのです。

え、え、S……??

そんなもの私が入るわけが・・・・・・ない~~~~~~~~~~~~~!!!!!

 

 

 

そう、ものの見事にサロペットは足に入らず撃沈!!!

・・・・・・と、そのときでした。ステディの声が聞こえてきました。

「N子ちゃーん、俺の靴見て~~~」

WHAT?

すると、おもむろに試着室を開けるステディ。

ちょっとおおおおお~~~~~~~~~!!!妙齢の女の着替えシーンをみんなにさらす気~~~???失礼ねエ!!!

「あ、ごめんごめん!」

ステディは一応謝っていましたが、「どう?これ」と言いながら足元を見せてきました。

うん・・・・・・?

ステディがいつも履いてるレッドウィングじゃないの?

「形が違うの!モカシン・・・・・・っていうのかな?モカシンのほうがより本来のレッドウィングって感じ!」

なるほど・・・・・・全然違いが分からない。

しかし、ステディは「うーん、・・・・・・サイズもばっちりなんだよねえ・・・・・・」と気になっています。

試着室を出た私は、ステディと一緒に件のレッドウィングを眺めました。

ステディは「欲しい・・・・・・でもなあ・・・・・・レッドウィング持ってるし…・・・あれを大事に履くべきだよねえ・・・・・・」と悩んでいます。

ステディ調べによると、その靴はアイリッシュセッターの8875。定価は46000円弱らしい。それが27390円・・・・・・ほとんど新品に見えるし、悪い買い物ではなさそうだけど・・・・・・。

ステディはウンウン悩んだ末に靴を棚に戻しました。

あら、あきらめちゃうの・・・・・・?

ステディ「うん、持ってるもの、あるから・・・・・・」

N子「いくらなら買うの?」

内心、2万円と言われたら、7000円出してあげてもいいと思い、そう聞きました。

すると

ステディ「ううん、ぜいたくしちゃいけないから」

みたいなことを言いました。

ぐぬぬ・・・・・・禁欲家ねえ・・・・・・。

そういえば、今日のお昼、私はステディに焼肉をおごってもらったことを思い出しました。

ステディはパチンコで勝ったと言って、私に「おごってあげる!」と言ったのです。

ああ、優しいステディ。

自分のものは我慢するのに、私とのデートにはいつも「いいよ、いいよ、N子ちゃんの好きなようにしていいよ」と言うステディ。

そのときです。N子の胸に天使がささやきました。

 

 

 

「買っておあげなさい!!その靴を!!」

 

 

 

天使は続けて言いました。

天使「こんなにお世話になってるんですもの、買ってさしあげるべきよ!!」

 

 

―――ぐぬぬ・・・・・・!!!そ、そう・・・・・・?

 

 

 

天使「そうよ!!ステディの喜ぶ顔が見たくないの!?」

 

【次号に続く】

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サイゾーウーマンで沼コラムを連載中のアラフォーウーマン。今日も頭痛と闘いながら散財する日々
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