うっかりTASAKI【東京旅行】

前回までのあらすじ:

185000円のピアスを買ったことで満足しようとしていたN子に魔の手が……！！友人に誘われて向かった新宿伊勢丹。そこにはきらびやかな世界が広がっていて……。

いや、いかんいかんいかん！！！！！

わたしは力いっぱい首を振りました。

もう40万くらい使ってるんだって！！

カードの支払いがやばいから、今回kataokaさんにも行かないって決めたんじゃん！！

しっかりせい、千葉N子！！

わたし「バ、バッグは……その、もういいかな？」

友人「そ？じゃあ、上見てみる？」

わたしが震え声で宣言すると、友人はさっそうとエスカレーターのほうへ歩き出し始めました。

ああ……後ろ髪ひかれるけど……でもよ、でも……。

今は買うときじゃない……だってもう型番も控えたもん……。

どうしても欲しくなったら、オンラインショップで買えばいいんだもん……そうだもん……そうなんだもん……。

わたしはちらちらと後ろを振り向きつつ、エスカレーターに乗りました。

上の階は「え、誰が買うんでっか？」ってくらい高価な服がいっぱい売られていました。

60万のミンクのコートとかさ。

真っ白なカシミアのニットとかさ。

そんなん、寿司食べれないじゃんねえ？醤油こぼしたらどうすんの？みたいなものがずらーり。

友達は「わたしね、痩せてたら、こんなスカート履きたかった！」なんて言いながら、オードリー・ヘップバーンが着ているようなウエストがぎゅーっと絞られたフレアスカートなんかを見ていたわ。お値段15万円なーり。

で、上の階をうろついていたら、TASAKIが目に入ったんです。

そういえば……とN子は思い出しました。

フリマアプリで、コメットシリーズのイヤーカフが20万円前後で出ているのを見て、欲しくなって、『実物見てから買おうかな～』と、東京に行く前、TASAKIをひやかしに行ったの。

そしたら、わたしが気になっていたイヤーカフはなんか、イメージが違くて（思っていたよりだいぶ小さかった）。しかもね……自力で入れられなかったのよ……耳に。

で……ショックでうつむいていたら、店員さんが奥から違うイヤーカフを持ってきてくれたんです。

それはゴールドのイヤーカフで、イヤーカフ全体が星の形になっているものでした。

ぶっちゃけ、初見は「うん？」という程度で、そんなに心惹かれなかったの。

と・こ・ろ・が！！！

ためしにつけてもらったら、これがめちゃくちゃかわいかったのよ！！！！！

全体ががっつり星形なんだけど、耳につけると、星の形がいい感じに見えないの！！でも、存在感があってかわいい！！

えーっと……。

わたしはすかさず価格をチェックしたわ。

『287,100円』……。

うーん。

まあ……高いけど……ギリギリ……買えなくもないか……。

そう思って、じーっとイヤーカフを見ていたら、「こいつ、いけるかも？」と思った店員さんが、スススーっとまた違うイヤーカフを持ってきました。

「これはホワイトゴールドバージョンで、側面にダイヤがついているので、キラキラ光って可愛いですよ～～！」

そして、それを見た瞬間……！！わたしは「ふぁ～～～～～～！！」と思ったの！！

かわちいいいい～～～～～～～～～！！

わたし「こ、この子のお値段は……」

店員さん「455400円です」

ふぁ～～～～～～～～～～！！！

それが、『TASAKI コメット プラス ネオ ダイヤモンド パヴェ イヤーカフ』ってやつだったんだけどさあ。

結局、即決はできなくて、その場を後にしたんだよね。

で！！

そんなことが先日あったから、買う気はないけど、友人に見せてみようかって気になったの。友人が「ないわー。ださいよー」って言ったら、それはもうさっぱりあきらめられるじゃない？

この友人は、アパレル会社に勤務していて、とってもセンスのいい子なの。そんな子が「ない」と判断するものなら、いらんって思ったのよ。

で……。TASAKIの店員さんに「イヤーカフ見せてください」って言ったんだけど……。

そう、このときはね、このときは本当に１ミクロンも買う気はなかったのよ……。

千葉N子

サイゾーウーマンで沼コラムを連載中のアラフォーウーマン。今日も頭痛と闘いながら散財する日々